枝と申します。
今回は高円寺にありますギャラリーSUMMER of LOVEで開催されました、きたむらしゅ〜個展「THE BASIS」へお邪魔してきました。
目次
メイド×コーヒー×ミュージック
私は15万円のオーディオインターフェースを買うくらいには音楽が好きであり、自分で豆を挽いて淹れるくらいにはコーヒーが好きであり、シャーリーと仮面のメイドガイを何度も読み返す程度にはメイドさんが好きです。
そして、きたむらしゅ〜さんの作品には、そんな3つの要素が全て兼ね備えられています。つまり最高です。
さらに特筆すべきは、全ての作品が「紙とペン」のみで描かれていること。つまりその制作の過程には、Ctrl+Zもベクターレイヤーも存在しない訳で。たったインク一滴のミスも許されない、極めてシビアでハードコアな作品制作に取り組んでいるという事です。
だからこそ、原画を見に行くことに価値があるという事でもあるんですよね。
乱雑だからこそ、美しい。
先述しましたが、きたむらしゅ~さんの描く世界には、メイドさんと、コーヒーと、それらを取り巻くようにごちゃごちゃとした雑貨類がたくさん登場します。
在廊していらっしゃったきたむらさんとお話をさせて頂いたのですが、これらの作品は、かつて心斎橋で訪れたお店がモチーフとなっているそう。そこで見た乱雑さが「人間味のある美しさ」として、作品に大きな影響を与えているとのことです。
終わりも近い pic.twitter.com/ur8NduAu9d
— きたむらしゅ〜🐣個展12/8~18 (@_kitamurashu) May 1, 2022
しかし、この乱雑さを表現する為には、極めて緻密で正確な技術が用いられています。
折角の機会だったのできたむらさんに色々とお話をお伺いしましたが、作品を描くときには0.03mmという非常に細いペンを、インクの出方・かすれなどで何本も使い分けて、作品の明暗や濃淡を表現しているとのことです。
引用した画像のグラデーション部分なんかも黒一色で描かれているのが意味不明驚きですよね。
あとお話している中で、きたむらさんと私が同郷の出身だったことが分かり嬉しかったです。今すぐwikipediaの出身有名人欄へ書き加えよう……
オリジナルドリップコーヒー!
そんな素敵個展の物販では、オリジナルのドリップコーヒーが販売されておりました。
コーヒー豆からきたむらさんご自身で決めたドリップコーヒーは、イラストにも、箱にも、イラストの印刷法にすらもこだわった凝りっぷりだそうで、手に取れば分かる丁寧さがこちらもワクワクしてしまうようなパッケージです。
ドリップバッグ2種類はそれぞれ「昼」と「夜」がモチーフとなっており、昼はすっきりとした、夜はまろやかな、という形でそれぞれの時間帯に合わせるような味わいになっているそう。
どちらもコーヒーの刺々しい部分を抑えてあり、とても飲みやすいコーヒーでしたよ!
あと開けるとめちゃくちゃ色々ノベルティが出てきて心配になりました(採算取れてるのかとかが)
おわりに
という訳で今回は、きたむらしゅ〜個展「THE BASIS」に行ってきた話でした。
紙とペンというミニマムな素材で生み出される極めてゴージャスな作品群が。住宅街の一角にこんな最高空間が存在していることが。そして、コーヒーの香り漂う個展というコンセプトが。
全てをひっくるめて非常に楽しい個展でした。
B2ポスターでも見る度ニコニコしちゃうけど、いつかは原画を買うぞ~~~!