皆さんこんにちは、枝と申します。
世間がエイプリルフールで賑わう4月1日、今日から私の好きな(成人向け)漫画家であるいだ天ふにすけの個展「わたしだけのものになる」がopenしました。
開催場所は神田駅近くにありますspace caimanというギャラリー。快楽天でおなじみワニマガジン社が運営するギャラリーだそうです。どおりで名前がカイマンだし、過去の写真にホムンクルスとかみちきんぐとかの絵があったわけですね。
ちなみに初日ということもありましょうか。入場開始から1時間少し経った頃に到着したのですが、13時半に貰った整理券で入れたのは2時間弱経ってからの16時頃という人気具合でした。
近所のドトールやらで暇つぶしをしておきましょう。
デカいエロい絵がある(原文ママ
さて。
ギャラリーに足を踏み入れると、めちゃくちゃデカいエロい絵がそれはそれは堂々と展示されています。(記事内では映しませんが!)
デカいエロい絵、いざこうして目の前に現れると芸術作品としか目に映らないのが凄いことですよね。
ギャラリーは10人ほどの人が一度に入れるようで、男女比は6:4くらいでした。作風的に女性人気も高いのは目に見えていましたが(オモコロのモンナイちゃんとかが言及してたし)、いざ実際に目の当たりにすると、ファン層の広さに驚かされます。
大きな展示物の他には、それぞれ短編の原画とキャラ設定などに関するコメンタリーが展示されており、作者がどのような思いでキャラクターや作品を生み出したのかが、非常によく伝わってきます。
あとはとにかく女の子の原画がめちゃくちゃかわいいです。これだけで元が取れる。
グッズなんかは実物が展示されておりました。どのグッズもちまちまころころしていてとてもかわいかったですよ。
グッズの購入はクレジットカード可でしたのでご安心を。
いだ天ふにすけの魅力
いだ天ふにすけの描く漫画には、間違いなく他の商業作家にない魅力があると思っています。
そのうちの大きな一つは、一人一人のキャラクターに対する作者の思い入れが深いことでしょう。成人向け漫画に登場する男性は度々「竿役」などと称されることがありますけれども、いだ天ふにすけの漫画に出てくる男性陣はみなしっかりと日常に関する設定まで為されているキャラクターであり、モブらしいモブは出てきません。当然女の子はそれ以上に設定が凝っています。そんなキャラクター達によるカップリングが、一作品に一つ存在するわけですね(実際ランダムアクスタは男女セットの形で売られている)。男の子にここまで思い入れと愛を持っている作家さんというのは中々見ませんので、これは大きなアイデンティティと見て良いのでしょう。
また、デフォルメの効いたかわいらしい絵柄から紡ぎ出される、ドロドロからアホっぽいのまでかなり振り切れたストーリーも極めて魅力的です。そんな緩急のあるプロットを個性的なキャラクター達が彩るわけですから、まぁ読み切り漫画としての面白さ、短編恋愛漫画としての面白さがしっかりとあるんですね。エロい!かわいい!だけじゃなく、人間のいじらしさに思いを馳せてしまうような、そんな作品を描ける人がいだ天ふにすけなのです。
個展の名前も「わたしだけのものになる」という独占する側の言葉なのに、ケーキに書いてあるのは "eat me" なのとか、まさにいだ天ふにすけワールドな感じしますしね……
独占欲。被虐欲。落胆。信頼。倫理観。性的な関心。人間的な無関心。ノリ。勢い。積み上がった物の爆発。
人間の持つ浅はかさやいじらしさが醜いし微笑ましい。そんな感情になれる作品群を、ぜひ皆さんもご覧になってみてください。