
枝と申します。
北斗の拳全巻セールがあったので購入、完読しました。以下感想です。
目次
ラオウ昇天まで、流石に面白い
まずはラオウ昇天まで(16巻)までの感想ですが、ほぼ全てのキャラクターにそれぞれ見せ場があり、敵も味方も印象深くて非常に面白かったです。流石は超有名IP。
シンは思ってたより早く出てきたので意外とあっさりやられてしまいましたが、ユリアが実は生きていたというあたりでジワジワ追い上げてきた感じがあります。レイは仲間の期間が長いしシンプルにかっこいい。ユダも今のジャンプなら味方になってるタイプの敵で潔い散り際でしたね。あとジャギは知ってる通りの外道、敵と言えばこれよこれって感じで実家の煮物みたいな味わいでしたし、ラオウはもっと戦いだけに命を懸けてるような魔王ポジションだと思っていたので、トキにもユリアにもとどめを刺せない人間味があることを知りその人気が頷けました。この他にもシュウとかフドウとかジュウザとかサウザーとかも外せないエピソードだらけです。すごい。
また、全体のストーリーも愛する人・罪の無い人の命を奪う敵に対するケンシロウの怒り、そして強敵(とも)と戦って命を賭さなければならない哀しみが強くフィーチャーされており、最後のラオウ戦まで作品の根幹として機能していました。私はこういう一貫性こそ作品の印象を左右すると思っているので、その点北斗の拳はしっかりしていたと言えます。
あと、細かいことを言えば序盤のケンシロウが思ってたより粗野な言葉を使うのにもビックリしました。二人称が「てめぇ」ですもんね。あと初回は「お前はもう死んでる」なのもびっくりしました。死んで「い」るじゃないんだ……
修羅の国編は……微妙かな……
そんな北斗の拳ですが、事前知識無しで見ていても修羅の国編は「なんだかな~」の連続で、正直蛇足感が否めませんでしたね。
まず、ソードマスターヤマトばりの速度感で「実はお前には兄弟がいるぞー!」の展開が続いたのに違和感がありました。リンには姉が!ケンシロウには兄が!ラスボスのカイオウはラオウの兄!って数巻で明かされてもなんだってー!とはなりにくく、むしろ話を伸ばすための手法っぽさをひしひしと感じてしまいました。
次に、「なんかオーラ的な物を発射して凄い強いぞー!」みたいな感じで拳士としての戦いが少なくなっていたのもちょっと違うな~という感じです。オーラはケンシロウとラオウの頂上決戦レベルの研ぎ澄まされた戦いにのみ出てきた印象で読み進めていたので、闘気の刃!とか魔闘気で無重力を生み出して敵の位置を錯覚させる!とか言われても「?」でした。ベルセルクで魔法が出てきた際の置いて行かれ感に近いかもしれません。
次に、シャチもバットも痛めつけられるだけ痛めつけられてかわいそうなだけだったのも微妙ポイントです。四肢欠損するくらいボロボロになっても、しょせん時間稼ぎだから最後の美味しいところはケンシロウが回収。みたいな流れが定着していましたからね。ケンシロウ強すぎる問題にも繋がる部分だとは思いますが、シンみたいに華のある散り際は用意されず、ただボコボコにされてもめげない強い心がすごい!みたいに描かれてたのはちょっとかわいそうでした。
最後は明らかに都合の良い秘孔がポロポロ出てきた所にも違和感があります。「この秘孔を突くと記憶がなくなった上に意識を失い、目覚めた人間を大好きになるぞー!」という展開はその唐突さもあり、やや面白いまでありましたね。
総じて、修羅の国編はラオウ昇天までで足りなかった要素を補完するわけでもなく、ラオウ昇天までに頼りなかったキャラクターが大活躍するというわけでもなく、「急に新キャラ出してもアレだし肉親の超強いキャラ出してケンシロウ活躍させておくか」感が否めない章だったように感じます。
無粋なツッコミ一覧
ちょくちょく出てくるヌンチャクは何?作中での説明が本当になかったのでケンシロウの気分転換以外の合理的な理由が存在しない。気分転換でたまにしか出てこないのに、通用しないと分かった瞬間ケンシロウの手によって折られてて可愛そうだった。
トキ、普通にシェルター入れただろ。ケンシロウとトキをカーペット代わりに床に配置し、その上に子供を乗せるなどで。→南斗シェルター拳の使い手というインターネットの投稿でニッコリ
ラインから下がったら(俺を)撃てって言えてなかったラオウは上司の素質があまりない。細かい指示出しが大事、ラオウに学ぶ管理職の心得。
ラオウ、どこで息子をこさえたんだ。リュウはできれば細胞分裂とかで生まれててほしい(殺生丸やアルバートウェスカーに息子がいるという後付人気出し設定に近い味わいを感じてしまうので)。
おわりに
という訳で今回は、北斗の拳を全巻読んだ感想でした。
全部見た後に「tough boy」を聞くと歌詞がかっこよすぎて神の曲になるので、皆さんもタイミングを見て読んでみてください。
