枝と申します。
今回はStylishNoobこと関優太によります自伝「今日も、感謝します。」の書評をします。
目次
スタヌをより深く知ることが出来る一冊
この本はストリーマーの自伝という事からも分かる通り、元々スタヌを知っている人がより深く彼の事を知ることのできる本だという印象を受けました。
この本を読めば彼の言動やプレイスタイルといった「核」の部分がどのような考えの元にできているのかを理解できることと思います。
ゲームの専門用語は毎回きちんと解説してくれるのでゲームはあんまり詳しくないという人でもシンプルなエッセイとして楽しむことが出来るでしょう。
一方で熱心なスタヌのリスナーからするとどっかで聞いたことあるなというエピソードも多いかもしれません。
スタヌの生き方について
読んでいて深く印象に残ったのは彼が自分の人生に対して殆ど後悔をしていないという点です。
一つ一つの選択は決して最善と言えなくてもそれをどうこう言うんじゃなくて今ある環境に対して向き合う、という生き方はとても自然で美しいなと思いました。
特に「ストリーマーとして生きることを決める」なんてのは、人生でも相当な重みのある決断だったのではないかと思っていたんですが、当の本人は意外とあっさり決めたみたいでビックリしました。
流れに身を任せて自分の周りに集まったものが現在になる。そう考えるだけで、すごく楽にいきられるのではないかと思う。
「今日も、感謝します。」、187-188頁。
スタヌ母の教え
そんなこの本、スタヌ親子がどれだけお互いを大事にしているかがバチバチに伝わってくる一冊でもあります。
働かずにニートでゲームをしまくっていたという話を聞くと「うっせぇクソババァ!」みたいな一幕があったのかと思いがちですが、スタヌの場合は全くそんなことも無かった模様。
「母の教育方針があったからこそ今の自分がいる」というのは配信でも良く言っている事ですが、この本を読めばその意味がとても深く理解できました。
やりたいことはやらせてあげるし、それを全力で応援もする。ただ「人に迷惑はかけるな」というスタヌ母の教えは、間違いなくスタヌの「核」を形成しています。
尊敬する母との対談はスタヌらしからぬ温度感ににっこりしてしまいました。
プロゲーマーとして生きる事の難しさ
本書ではOWのプロゲーマーとして活躍していた2016年辺りの話も語られているのですが、そこではやはりプロとしてゲームをすることの苦しさや難しさについて色濃く描かれています。
今でこそプロゲーマーが活躍する土壌も少しずつ整ってきている訳ですが、esportsという概念が認知されていない当時の環境というのは中々に悲惨なものだったようです。
彼らの活躍があったからこそ今のesports界隈があるのは間違いのないことでしょう。
一家のタンク、関優太。
個人的にお気に入りなのはスタヌの家族に関することが語られる第五章。
彼とは”似ないもの”である妻の話や飼っている猫たちの話、そしてムスメの話を赤裸々に語ってくれています。配信ではあまり見ることのできない「父としての関優太」の姿がそこにはありました。
人間らしさの出る記述こそエッセイの一番おいしいところだと私は思っているので、この部分は特に皆さんにも読んで頂きたいです。
おわりに
という訳で今回はStylishNoob自伝「今日も、感謝します。」についてでした。
普段の配信がより面白くなることは間違いありませんので、彼の配信が好きな方は是非一度手に取ってみてくださいね。