【バンド紹介】邦ロック好きならハヌマーンというバンドを聞け。

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枝と申します。

皆さんは「ハヌマーン」という3ピースのバンドをご存じでしょうか?ギターボーカルに山田亮一を据えるこのバンドは検索しても全然情報が無く、wikiにすらたいした情報がありません。出てくるのはインドの神様ばっかり。

情報が無いなら俺が書いたらぁ!

ということで今回は1stアルバムである「デッセンクルー」を中心にハヌマーンをおススメ、紹介、解説していこうと思います。

ハヌマーンとは

空間を切り裂くような緊張感を持つ演奏と、普遍的なメロディをハイレベルで融合させた楽曲、そして、瞬時にフロアを支配する存在感と高い演奏技術で構築されるライブパフォーマンスを武器に活動中。

http://hanumaan.jp/profile.html

という紹介文を掲げる3ピースバンドで、2012年8月3日に解散しています。

まずは有名な一曲を紹介。「猿の学生」というこの曲はハヌマーンというバンドの特徴を余すことなく表現した曲ですね。

リッケンバッカー+ピック弾きのゴリゴリとしたベースラインから始まり、ギターの不穏なリフが加わる。ドラムも少し食ったようなパターンで「空間を切り裂くような緊張感を持つ演奏」という言葉の意味が非常に分かりやすいと思います。

ナンバガ系と称されることもある、テレキャスター特有のジャキジャキしたサウンド。ディレイとフェイザーによる奥行き。バッチバチにキマったファズのギターソロなどギターだけでもカッコいい要素が盛りだくさんで何回聞いても飽きません。

ハヌマーンを語るうえではその歌詞も見逃せない。学生の浅はかさや愚かさを歌ったような曲がこの「猿の学生」なんですが、一見抽象的で文学的な歌詞が口に出して歌ってみると非常に小気味良い。「猿公得てして得て勝手して」とかフロウが凄いですもん。

このように「キャラクター」「サウンド」「歌詞」の全てにおいてハヌマーンはとても優れているのです。

1stアルバム「デッセンクルー」

さて、それでは早速「デッセンクルー」の楽曲を紹介していこうと思います。このアルバムはamazon prime musicにも入っていますので、入門編にはぴったりですね。

1.樹海都市

先ほどの猿の学生と同じく不穏で攻撃的なメロディから始まるこの曲。1曲目からパンチが強い。

しかしそれが一変するのがBメロ。コーラスが掛かりハンマリングやプリングが使われるこのパートは一種の浮遊感すらあります。それを支えるベースも主張が激しすぎず良い。リッケンバッカーなのにここまで溶け込むのって凄いことですよ。多分。

不穏なイントロを持ちながらもどこか切なさを感じさせるようなこの曲、おススメです。

2.残像サブリミナル

先ほどの曲とは打って変わりポップでアップテンポな一曲。しかし序盤のアルペジオや随所のキメ、メロディラインがこの曲に独特の情緒を引き出しています。

最後の転調が気持ち良過ぎ。上下に動くベースも気持ち良過ぎ。

「雨が降って街、妖しく光っている 揺れる月光、コンクリートに消える」という歌いだしも色彩を想像できて美しい。おススメ。

3.昆虫採集

ぼくのなつやすみみたいなタイトルを冠していますが、この曲はどちらかと言うと雰囲気重視の曲。前の2曲がポップでノリのいい曲だったからこそ、この曲の妖しさ、ノスタルジックさが際立ちます。

個人的に2分50秒あたりからの間奏からめちゃくちゃ東方のテイストを感じるんですよ。妖々夢辺りの。音の踏み方がそれっぽい。(分かって)

オススメ。

4.Fuzz or Distortion

「ファズ」と「ディストーション」はギターに使われるエフェクターで、どちらも歪みと言われる種類のエフェクトです。

歌詞中に「夏」という単語が何回も登場しますが、この「デッセンクルー」というアルバムのイメージ自体が夏、しかも初夏のように感じるんですよね。だからこそ感じる懐かしさや透明感があります。

この曲はベースが絶品なのでぜひそこに注目して聞いて頂きたい。おススメ。

5.煉獄ディスコ

冒頭は少しキャッチーな印象ですが、Aメロからは情熱的なメロディが続きます。なんせギターがかっこいいんすわ。ベースも。ドラムも。

サビは後を引くような終わり方をするので、なんだか少し寂しくなります。ディスコだけどそんなにダンスナンバーには感じませんね。おススメ。

6.ハイカラさんが通る

このアルバムで一番好きです。というかハヌマーンで一番好きです。「フェスとかでイントロが聞こえてきたら最前列行く系」のキラーチューン。

開放弦を使った爽やかなギター、シンプルなように聞こえてめちゃくちゃスルメなベース、タイトでゴリゴリ曲を引っ張っていくドラム、そして青春を感じさせる文学的な歌詞。好きにならない理由が無い!!

私は特に歌詞が好きですね。「彼女」という登場人物が居ながらも「吐瀉物」「産業街」「味のしないガム」といった色彩感のない単語が並ぶギャップ。「彼女」の事は気になるけど「僕」は曖昧に笑っている存在で居たい、みたいな。不器用で遠回りな感じ。

これ聞きながら川沿いを歩くと世界で最強になれます。マジでオススメ。

7.デッセンクルー

「ハイカラさんが通る」が終わりアルバムも締めくくり、というところにこの一曲。さっきまで興奮で大暴れしていた心に歪みのほとんどないクリーンなギターの音が染みます。

「孤立無援の夜」「不透明な長い夜」という不安を掻き立てる単語がありながらも、逆に落ち着けてしまうようなアルバムの終わりにふさわしい曲です。おススメ。

おわりに

以上が「デッセンクルー」を中心としたハヌマーンのおススメ、紹介、解説でした。このアルバムのみならず他のアルバムもセンスの塊ですので是非聞いてみてください。

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