枝と申します。
amazonのセールで安くなっていた「将太の寿司」を全巻読んだのでその感想です。
目次
型に則った話の流れ
「将太の寿司」という漫画を簡単に解説すると、主人公の将太や将太が修行する鳳寿司が、カスの寿司職人に嫌がらせされたりするけど、努力とアイデアでカスの寿司職人をやっつける!みたいな漫画です。
①何らかの寿司勝負を挑まれる(だいたいカスの寿司職人に)
②頑張って凄いネタ or 凄い調理法を探す
③その最中で土地の人々と友情を築く(だいたい皆重めの過去持ちでヘラってる)
④最後は友情と努力でカスの寿司職人に勝利する
ほぼ全ての話がこんな感じで進みます。なのでストーリーを楽しむ漫画というよりは、将太の寿司に対する創意工夫がメインコンテンツの漫画であるように感じました。
どこから読んでも大丈夫な親切構造
一応のメインストーリーはありつつも、多くの話は2話くらいで完結することが多く、どの巻のどの話から読み始めても読むのに支障が無いのは非常に読みやすくて良いと思います。
また、過去に出てきた人物についても、きちんと3コマくらいで「あの時あのような状況で困っているのを助けたあなご屋のおじさん!」というような回想(説明)を入れてくれるので、あ~なんか過去に将太が助けた人なんだな~というのも分かります。
ストーリーがしっかりしている系の作品は一気に読みたくなってしまいますが、これならちょっとした時間にサクッと読んでも安心です。
なお、本編は無印の「将太の寿司」が27巻と「全国大会編」が17巻の合計44巻です。寿司だけで44巻漫画が描けるの凄いですよね……
クズの悪役がクズの悪役過ぎる
将太の寿司には将太の敵となるカスの寿司職人がたくさん出てくるのですが、普通に実刑物のカスっぷりが最後までたっぷり炸裂します。
・船を事故らせる(笹寿司)
・恋人からの手紙を全部破り捨てる(佐治さん)
・魚が仕入れられないよう買い占めを行う(色々な人がやる)
・ネタが入った冷蔵庫の電源を引っこ抜く(紺屋碧悟)
・お前らにはこれがお似合いだ!と腐ったカキを口にねじ込まれる(笹寿司のガキ)
・車のドアに手を挟んで使えなくする(紺屋碧悟)
などなど、枚挙に暇がないとはまさにこの事です。「流石にやりすぎw」という悪役の挙動を楽しむのもまた将太の寿司の面白さかもしれません。
ちなみにですが悪役の語彙力も中々に豊富です。食レポは後述するように似た文言がよく出てくるのですが、悪口に関しては七色超えて二百色のレパートリーです。そこも楽しみに見てみると良いでしょう。
将太の寿司っぽい食レポ
将太の寿司はグルメ漫画なので、名高い審査員からその辺のガキに至るまで登場する人物全員が繊細な舌とそれを筆舌出来る表現力を持っています。彼らがよく使っていた語彙を下記に記しておきますので、寿司の味わいを表現する時に使ってみてください。
ふうわりとした(食感、甘みなど)
ふ "ん" わりではなくふ "う" わりしているのが将太の寿司っぽさを出すコツです。食感にも味わいにも使える便利な表現なので積極的に使ってみましょう。
清々しい、清冽とした、清涼な(うまみ、食感、あじわい)
「胸をすくような清冽としたうまみ!清々しい海が口の中で躍るかのようだ!」
……というように使うと実にそれっぽいです。将太の寿司の世界観では割とどの食材も清々しいみたいなので、清々させたい食べ物を食べた時に使ってみましょう。
とろりとろける
二つの単語を合わせて使うのが将太の寿司っぽさを出すコツです。実際口に出してみるとその語感の良さがクセになるかもしれません。
おわりに
という訳で今回は、「将太の寿司」を読んだ感想でした。
インターネットで名高いだけはあるツッコミどころの多さに笑みをこぼしつつも、寿司という食べ物の奥ゆかしさを知れる良い作品であることは間違いありません。
寿司と嫌がらせが好きな人は是非見てみてくださいね。