枝と申します。
私はホラー映画が好きなので(直球)、この度和製ホラーとだけ聞いていた映画「来る。」を見ました。(リンク)
その感想を書いていきます。
目次
良かった所
キャスティング
原作を知らないのであくまでも映画単体を見た感想ですがキャスティングは良かったと思います。
ナヨナヨで情けないキャラを演じきった妻夫木聡、小汚くダンディーなおじさんを演じる岡田准一、胡散臭いのにどこか幼さを残した小松菜奈、威圧的で凛とした強キャラの松たか子、そしてこの映画にとてつもない味を出した柴田理恵……
演技の上手い下手はさておき、ビジュアルの時点からそれぞれのキャラがしっかり立っていて良かったですね。
人間関係のネチネチ感
邦画にありがちと言えばありがちですが、人間関係のネチネチはとてつもなく写実的に描かれていました。
前半だけ取っても「田舎の親戚の集まりに急遽放り込まれたあの感じ」はとっても不愉快で嫌な気分になりました(めっちゃ褒めてる)。
「アレ」の何かヤバい感
映画を通して最後まで本作の敵こと「アレ」の姿が現れる事は無いのですが、だからこそ目に見えないけど何かヤバいというのは表現しきれていたように思います。
特にクライマックスであるお祓いのシーンはホラー映画とは思えない壮大さで映像としての見応えが非常にあります。
イマイチなところ
ここからはイマイチなところです。
……どっちかと言えばイマイチなところの方が多かったというのが正直な感想なんですよね~
「アレ」の説明不足
まずは作品において最も重要な「アレ」の説明が非常に少なかったことです。
「マークされた子供は山に連れ去られる」くらいの情報しかなく、どういう条件の元で生まれてどういう手順を人を殺すのかみたいな具体性のある話が一切ありませんでした。
そんな説明不足のせいか、結局誰が「アレ」を呼んだのかがイマイチ明瞭としませんでしたね。
妻夫木君が子供の頃に憑いたのか、津田が召喚したのか、ギスギスの親に悲しみを覚えた知沙が呼び寄せたのか……
というか全体的に説明不足
先ほどの「アレ」に関してもそうですが、全体的に説明不足感が凄いです。琴子が何故色んな組織と密接につながってるのかとか、野崎の過去とか、真琴の過去とか。
コメディ映画なら細かい事はええか!ってなりますけど、こういうホラー映画だと家系とか人間関係とか人間の過去とかいろんな要素がトリガーになるのでその辺をちゃんと描写してほしかったな。
全編通してナヨナヨしたキャラが癪
最初のパートでは田原がナヨナヨ、中盤以降では野崎がナヨナヨ、とナヨナヨした登場人物に対する不満がそこそこ溜まります。
そんなナヨナヨしたキャラは行動にも説得力が全然無いので、感情移入はできないおろかストーリー全体にも「なんでそうなる?」みたいな部分が生まれちゃいます。
メッセージ性が「?」
「人間関係のネチネチを上手く描写しているのが良い」とは言ったものの、出てくる要素が多いせいで物語の芯がぶれている感じがありました。
結婚の話、不倫の話、育児しない父親の話、中絶の話、シングルマザーの話、毒親の話、、、
「何か暗くて重い話詰め込んどこ~w」みたいな感じで何が一番大事なのかを見失っているように思えますね。
本当に顧客が求めているものは霊媒師 vs 霊の壮絶バトルなのに……
ラストはそれでいいの?
そんな説明不足で駆け足な本編なので、もちろんラストも「???」という感じでした。元凶の「アレ」がどうなったのかも分からず、「俺達、これからどうなっちまうんだろうな~」っていうエンディングで……
最終的なカタルシスの無さも減点ポイントですね。
おわりに
という訳で今回は映画「来る。」の感想でした。
イマイチなところは多いものの、霊障のシーンやお祓いのシーンは和製ホラーとは思えない派手さがあるのでめっちゃワクワクしますし、何よりもカッコいい柴田理恵と松たか子が見られるのはこの映画だけです。
アマプラで無料なので是非見ましょう。
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