枝と申します。
全人類が待望していたピーナッツくんの初アルバム「False Memory Syndrome」
これがただのキャラソン集などと言えるレベルでは無く、全曲音楽としてのレベルが非常に高い。
なので今回はピーナッツくんをあまり詳しく知らない人にも凄さが分かるようにFalse Memory Syndromeの解説や考察を書いていこうと思います。
目次
DUNE!
False Memory Syndromeの1曲目を飾る曲。
チップチューン(ピコピコ音)でポップなトラックに対して歌詞は非常にピーナッツくんワールド全開な、いわば彼の自己紹介のような曲です。
ただのお散歩がいつしか 終わらない遠足
ここなんかは個人勢として趣味の延長で始めたVtuber活動の事を指しているように思われますね。
ピーナッツくんのおまじない (feat. チャンチョ & オレンジ博士)
2曲目にしておともナッツ(ピーナッツくんのファン)大感動の1曲。
サウンドだけで言えばそれこそ子供向けの番組で使われるようなメロディと音作りなんですがその歌詞はピーナッツくんという存在、そして彼の通ってきた道を歌い上げたような曲です。
ちなみに途中で登場するオレンジ博士はレギュラーメンバーの一人でオリジナルソングがある数少ないキャラ。
ピーナッツくんの誕生
ピーナッツくんのyoutubeチャンネルが開設されたのは2017年6月27日。本人もさんざん言っていますがこれは電脳少女シロの活動開始時期とほぼ同じ。つまりピーナッツくんはバーチャルyoutuberの黎明期を経験している数少ない存在なのです。
当時は同業者も少なく界隈もそれほど活発では無かったため、仲間の居ない状態で手探りの活動だったことでしょう。
しかもピーナッツくんの地元の滋賀県甲賀市は田舎です。公式の観光サイトで「自然の楽園」と自称しているくらいには田舎です。
ある朝目覚めたんだ この重い瞼が開いた
果てしない草原と田んぼ 横にいるのチャンチョ
滋賀県甲賀市という田舎で、唯一の友達と言えるチャンチョと共に誕生したピーナッツくん。そんな姿を知っているとより一層この歌詞が染みます。
ピーナッツくんのおまじない(原曲)
「ピーナッツくんのおまじない」という曲はこのように過去の動画で登場していました。動画は1分半ほどなので見ましょう。
だからこそフォルメモでこんなアレンジになるとは思いもよりませんでした。非常にカッコイイ。
兄ぽこの思い
間違いなく君がピーナッツくんだ 僕を救ってくれたマイヒーロー
楽しいことの中にある不安も 思い出せばいい 気張っていけよ
終盤に登場する正体不明の声の主は、ピーナッツくんのご主人様である兄ぽこだと言われています。
しがない田舎の会社員だった兄ぽこの人生が大きく変わったのは、間違いなくピーナッツくんのおかげ。だから今後も頑張ってくれよ。
という思いがメッセージとして表れているんですね。マジで感動。
僕の名前 ピーナッツくん 授かった名前はピーナッツくん
この声 体 君との違いが 僕がピーナッツくんたる所以さ!
その思いに対するピーナッツくんのアンサーも自信に満ち溢れて最高なんですよ。ピーナッツくんだからできることというのが沢山ある訳ですから。
このようなバックグラウンドを理解していると、この曲は一気にエモい曲になります。
グミ超うめぇ
ピーナッツくんの好物であるグミについて熱く語った曲ですね。
PVは非常にカラフルでサイケデリック。ですがサウンドはどちらかと言えばチルい感じでとても耳に残ります。
最初はふざけてるようにしか聞こえなかったピーナッツくんの声もいざトラックに載せるとこれ以外ありえないように思えてくるの、凄い不思議ですよねぇ
ピーナッツくんってどれくらいグミ好きなの?
ぽんぽこのチャンネルに投稿されてるこの動画でピーナッツくんがどれくらいグミ好きかが分かるのでご覧ください。
この動画によれば「ピーナッツくんは常にポッケにグミが入っているくらいにはグミが好き」とのこと。歌詞中のPocketの中のFuckin'相棒というのは嘘じゃないようですね。
最新のグミ動画です。(鳴き声)で大笑いした。
Kick!Punch!Block! (feat. デニムくん)
これも凄い。なんか凄い。
デニムくんのキャラソンのような感じの曲なんですが、デニム君の設定(ドM)を活かした歌詞がパンチラインの連続。
弱すぎて強い。キモ過ぎてカッコイイ。ドM過ぎてドS。
というように強烈な印象が残ります。
kick punch block! kick punch block!
let me show you fighting
let me show you fightingは「戦いってやつを教えてやろう」くらいなニュアンスですかね。煽り散らかしている文というのは非常によくわかります。
ネタ元と思われるパラッパラッパー
Kick!Punch!Block!のパロディ元はパラッパラッパーのステージ1で合っていると思われます。
これもヒップホップとして非常にかっこいいのでぜひ。
デニムくんのドM設定って?
初出の時点でそういう設定なんですが、デニムくんは「罵声で心のダメージを負うとダメージジーンズになる」という特性があります。
そんな彼はおしゃれのために罵声を受けることを望んでいる。
まぁ要するにドMってことなんですけど。
個人的にデニムくんが一番輝いているのは「このすくすく!ピーナッツくん」の1コーナー「心のダメージジーンズ」ですね。
イイ感じの罵声が来ないとデニムくんがリスナーを煽る。そして回を重ねるごとにコツをつかんだリスナーが「絶妙に嫌なライン」を攻める。非常に愉快です。
ちなみに第一回は「尿漏れ」でダメージジーンズが産まれました。
おねがいマーニー
タイトルのマーニーはmoneyの事。この曲はズバリお金に関しての歌です。
僕はバーチャルドカタ でかい現場先は儲かった
逆にしょぼいやつは路肩 野垂れ死ぬことなく良かったね
Vtuberの個人勢としてこれだけ成功しているのに関わらず、貪欲でハングリーな曲が書けるというのが間違いなくピーナッツくんの強さなんですよ。
今に満足することなく、より多くを望む姿が現れている一曲ですね。
レオブタ解体ショー
個人的に1番好きな曲です。暴力的、攻撃的、そして重いサウンド。
レオブタというピーナッツくんの仲間の中でも大人気キャラの名を冠しているだけはあり凄まじい完成度。
真打登場感がありますね。そして少なくとも5歳児向けではない。
とりあえず聞いてみてください。とりあえず。
Pokemon Purple
この曲は以前にアップされていた曲の再録ですね。音のバランスなどが一部調整されています。
ダークで殺伐とした世界観を体現しており、「支配と被支配」を意識したような歌詞。ゆえに凄まじいパンチラインとディスがたくさんです。
その中でも特に人気なのはやはり「たんぱんこぞうが開ける シャンパンボトル」でしょう。ガッチガチに韻を踏んでいるうえでポケモンの要素もあり、権力の象徴であるシャンパンボトルもあり。
ヒップホップにそれほど詳しくない自分でもなんかすげぇ!ってなります。
ねむれないクリスマス (feat. ジョビルボ松本)
アニメの16話を再収録、ピッチやバランスを調整した一曲ですね。このアルバムで唯一レベルの5歳児向けミュージック(?)
- 夜中の2時過ぎごろ夜勤に出かけている
- かわいい男の子
- 彼流のチャーハンがある
公式から供給されている情報がこれくらいでジョビリボ松本の情報がマジで少ない(
ちなみにこの生配信でラストを飾るのがこの曲なんですが、ジョビリボ松本パートは勢いと圧が凄い。特にチャーハンの所。
必見です。
おやすみグッナイ (feat. チャンチョ)
名前の通り非常にチルい一曲。
しかし歌詞は結構尖っています。
群れなきゃ何もできないような、流行に乗っかることしかできないようなしょうもない人間に対する不満を歌ったような内容。
なんとなくですが学生時代にそういった苦労があったんじゃないかなと思います。
生配信での発言によればこの曲にはとある大物アーティストが関与しているとのこと。ピーナッツくんの事が好きでぽんぽこ24にも登場するような超有名アーティストっていったい何ブナなんでしょうかね。
幽体離脱 (feat. チャンチョ & ぽんぽこ)
Twitter上でも人気曲として挙げられることの多い幽体離脱。
浮遊感があるメロウなサウンドに、畳みかけるようなラップが非常に良い。
そしてなにより、コーラスのぽんぽこがマジで素晴らしい。ウィスパー感がマジで素晴らしい。
ちなみに歌詞中の「トリプルZ」は寝てることを表す「Zzz」っていうアレを表しているものと思われます。書かんでも分かるか。
不安や心配が垣間見える歌詞
君とぼくは同じ心でひとつ だけどずっと一緒にはいれないよ
特殊な関係を続けてても いつか終わる日がきてしまうのかな
虚無だけど虚無じゃないような今日この頃 ターザンもシンバも司会なんてしないだろ
アイドル稼業じゃぼくは生きられないから 空中遊泳でクロールしよう
この辺からは兄ぽこという存在とチャンチョという存在の二面性が垣間見えますね。
どこまで続くかもわからない未来への漠然とした不安も。
ただニコニコしているだけでは生きていくことのできないVtuber個人勢には、企業勢には無い悩みがあるでしょうからね。
Drippin' Life
多くの海外サイトで意味を調べてみると、Dripとはハイレベルなファッションだったり、高価なジュエリーを身に着けたりして、最高にイケてる、魅力的な状態のことのようだ。また、女性ではセクシーな容姿を意味することもある。現代のアメリカのラッパー達のように、グッチやバレンシアガ、ルブタンなどを着こなし、腕や首元にジュエリーを身につけている姿を想像するとわかりやすい。
ヒューストンのラッパーSauce Walkaは、アメリカのリリックサイト”Genius”のインタビューで、「Dripとは、キングになること、勝者になることだ」と説明している。
http://bmd.black/what-does-drip-mean/
アルバムの最後を締めるのはこの曲。
Drippin ' Lifeの合唱で感じる「ラスト感」もあり、最後を感じさせないくらいにぎゅうぎゅうに詰まったラップもあり。
死ぬまで自分の道を進むぞ!というメッセージも伝わってきてとても好きです。
あとメロディが懐かしい洋楽チックですね。ビートルズ的な。
PV公開につき追記
PVと歌詞がyoutubeに公開されました。これで聞き取れなかった部分も明らかになった。
いやまーじでカッコいいですね。この曲にはピーナッツくんの作品に対するクリエイティビティや必死に進む様子が歌詞に現れているという事の再確認にもなりました。
出る杭がもっと出て黙らす外野
というこの一文。ピーナッツくんがVtuber界にとって異質な存在だからこそ出せるこのリリック。ピーナッツくんの生き様であり、彼の突き進む「道」であり。
アルバムのラストトラックにこれ持ってくるのセンスしか無いですね。最高ですね。
おわりに
自分の語彙力では表しきれない部分がまだまだたくさんあります。実際に聞いてみないと伝わらない魅力がまだまだたくさんあります。
この「false memory syndrome」はけしてピーナッツくんファンの為だけのアルバムでは無いのです。
youtubeトピックで自動生成された動画もありますのでぜひ聞いてみてください。もちろんアルバムの方が音質も良いですけどね。
今後も非常に楽しみです。
あと普段はこんなことして遊んでるので、よかったらTwitterフォローしてください。