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枝と申します。
長きにわたってお送りしてきましたこのシリーズ「豚汁に絶対入れてはいけない食材」も、ついに最終回を迎えることとなりました。
ご愛顧いただいた皆様には深く感謝いたします。
初回にて最終回とはなるのですが、今まで通り美味しい豚汁づくりができればと思いますので、最後までどうぞ宜しくお願い致します。
目次
具材:森羅万象
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まずは具材を切ります。
豚汁に入れていけない食材は存在しないので好きなものを好きなだけ入れましょう。
ちなみに私は面倒が世界で一番嫌いなので、いつも「買ってきた分」の食材を鍋に放り込みます。具体的に言うと大根は買ってきたその分を丸ごと、ニンジンは買ってきた1袋(2本入り)を丸ごとって感じです。
「大根:四分の一本」とかああいう表記困るんですよね。
食材の気持ちを考えずに「その時の食欲」という人間のエゴを押し付ける。残された大根は次の出番を待つも、独り暮らしの大学生が大根を1週間に何回も使う訳はないので彼は静かにその死という運命を待つのみ。
そんな悲しい結末を私は何回も見てきました。
なので、買ってきた食材はその日のうちにすべて使います。
悲しい運命の連鎖を断ち切るために。
計量が面倒とかでは無いです。断じて。
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食材の切り方はその時々の気分によって変えます。
「にんじんはいちょう切り」とか「ごぼうは乱切り」とか、人の敷いたレールを何も考えずに歩くのって良くないことだと私は思うんですよね。
レールを歩くにしても自分の意志ってのはしっかり持ち続けなければいけない。さもなくば、いつ豚汁に自我を飲み込まれてしまうか分かりません(?)
そんな私は豚汁を作る際、自分自身に一つだけ掟を定めています。
それは「大根は薄く・デカく切る」というルール。
なぜかとゆうと、だいこんがうすくてデカいとうれしいからです。
あと皮はめっちゃぶ厚めに剥きます。そっちの方が味もしみこみやすいらしいので。
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私には「豚汁を作るなら絶対に里芋でないといけない」という呪いと宗教的理由と家庭の事情があるのですが、今回導入した剥き里芋がマジで便利だったので共有しておきます。
手間と時間を金で買う、とはよく言いますがその最たるものがこれだわってなりました。
金で買える幸せは確かに世の中に存在します。
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そして全ての食材を切り終えた状態がこちら。
豚汁は具だくさんであればあるほど美味しいというのは皆様もご存じですので、これがどれくらい美味しい豚汁を生み出すかは想像にたやすい事でしょう。
大根の白とネギの緑のコントラストがクリスマスツリーみたいで非常に美しいですね。
ちなみに「モンブラン」ってのはフランス語で「白い山」って意味らしいです。
加熱:一刀火葬
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具材の準備が終わったので最初に豚肉をごま油で炒めます。
ここで皆様もお気づきでしょう。
そう、これはパックをそのままひっくり返して鍋に入れただけなんですよ。
どうして広げたりしないの?とお思いの方もいると思うので説明しますが、
ありのままの姿で世に出て、
野菜という別界隈の存在と融和し、
その果てに美味しい豚汁になって欲しい。
そんな思いは一切込められていません。
楽だからです。
何故か世の中って血のにじむような努力を尊び持ち上げる傾向にありますよね。結果ではなくその努力という足跡ばかりを分かりやすい美談として消化しようとする。
でも同じような結果が出るなら努力せずに結果出したほうがスマートでクレバーで賢いと思いませんか?
自分は何事にもある程度の余裕とある程度の手抜きを持って取り組む人間であり、働きアリの法則であれば2割の怠け者であり、ゼークトの組織論で言えば有能な怠け者でありたいと、高校生くらいからそう思い続けています。
いかに「頑張らないか」を突き詰めて生きていきたいですね。
アース、ミュージック&エコロジー。
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豚肉を一度引き上げたら、旨味の溢れた残滓の中に主役ともいえる野菜たちを入れていきましょう!
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ン゛ッ゛ッ゛ッ゛
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ソッ……
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スッ……
という訳で野菜に火を通します。
最後に豚肉を乗せたのは何かそっちの方が美味しいかもしれない(豚肉の脂とか旨味的なものが野菜に落ちて)と思ったからです。
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これは炒めていたつもりが野菜から出た水気で「煮」になっていた状態の写真。
自分達の意思だけで運命を変えたなんて、とても喜ばしい事ですね。
知らんけど。
あとこの段階でほんだしを入れておきました。
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先ほどの写真に味噌を入れて煮た後の物。
豚汁はしっかり野菜に味を付けたいので味噌は早い段階で入れちゃいます。
ここで残して置いたネギの青い部分a.k.a葉鞘を入れ、再度加熱します。
香り付け用の味噌は後で入れましょうね~
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んで完成~~~!!!
野菜の甘味が尋常じゃないので味噌はしっかり目に入れました。
そっちの方が美味しいからね。
豚汁に絶対入れてはいけない食材
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幻想郷と同じくらいすべてを受け入れるのが豚汁なんですが、そんな豚汁には絶対に入れてはいけない食材が存在します。
それがバターです。
味噌のコクとバターの濃さと野菜の甘味と豚肉の旨味がフュージョンしてそれはもうエライ事になってしまいます。
金閣寺の一枚天井くらいエライ事です。
同じように七味唐辛子と追いごま油もやめたほうが良いので皆さんも気を付けましょう。
おわりに
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「やや、僕はおかずですよw」みたいな顔で鎮座している豚汁。
実際に一汁一菜の「一汁」部分でビールが飲めるというのは異常な事態だという事を、全人類は再認識したほうが良いと思いますね。
今回のレシピに追加で何かを入れるのなら、こんにゃくとかまいたけなんかがオシャレで都会派だと思います。ananにもそう書いてましたし。
皆さんも時間がある際は是非、自分だけのオリジナル最強豚汁を生み出してみてくださいね。
それではさようなら。