枝と申します。
歌ってみた動画を出す上で悩むところが「ハモリを自分で歌うか、それとも生成するか」という問題です。どちらにもメリットとデメリットがあるので一概どちらが良いとは言えないんですよね。
という訳で今回はそんな生成ハモリと録音したハモリどっちの方が良いのか問題について考えていこうと思います。
目次
実際に生成したハモリを聞いてみよう
まずは生成ハモリがどんなもんなのかを聞いてみましょう。
上に用意したのは普通に歌った素の音源です。
これをメロダインで色々と弄ってみます。
生成した上3度ハモリと下3度ハモリ
上3度のハモリでもソロで聞くと少し違和感がありますよね。なんかこうガビガビしてると言いますか。
オク下に至っては明らかに補正というか加工されている感じがします。体に悪そう。
これを上手く纏めるのがMIX師さんのお仕事って訳ではあるのですが、何はともあれ「生成ハモリ」で生まれるのはこんな感じの物ってことを理解しておきましょう。
作成ハモリのメリット
次に生成ハモリのメリットについてです。
上記に貼った「帝国少女」はリードボーカル一本だけをMIX師さんにぶん投げたのでハモリは全て生成によるもの。
めっちゃ楽
生成ハモリの一番のメリット、それは「楽」という事です。
作り方の詳細は省きますがメロダインでハモリを作るのはめっちゃ簡単です。
30秒もあれば上3度のハモリができちゃいます。
さらに、最近だと「ハモリ生成します!」ってMIX師さんが多いので、歌う側からすればMIX師さんにぶん投げればそれでおしまいってことも多いです。なんもせんでええ。
音を取るのが難しい、または歌うのが超絶難しいハモリなんかは生成ハモリにしちゃうのが賢いかもですね。
タイミングがリードボーカルとバッチリ合う
生成ハモリは基本的にリードボーカルから生成するので、ブレスのタイミングや入りなどもリードボーカルと全く同じハモリができます。
リズム感の弱い人にとっては救いですね~
作成ハモリのデメリット
ここからは生成ハモリのデメリットに入ります。
全部生成でOKって訳にも行かないのが難しいところですよね~
ちなみにこの「ベノム」も全部生成ハモリ。
歌が上達しない
「ハモリを入れる」という行程には様々な作業が含まれますのでやればやるほど歌が上手くなります。
しかし、ハモリを生成する場合はそんな経験をもしない事になってしまうので、得られるはずの経験値が全く入らないんですよね。
相対音感とかも育たないので歌のピッチが甘くなる原因にもなりかねません。
追加料金がかかる
MIX師さんによっては「ハモリ作成代」を別途払う必要があったりします。
また、自分で生成する場合は別途メロダインを始めとしたソフト(たかい)が必要になります。
要はお金がかかります。
生成感は残るし限界がある
先ほど聞いて頂いた通り、オク上オク下とかのハモリを生成しようとするとボイチェンみたいになります。
また、リードボーカルとかけ離れたハモリの場合(ナナホシ管弦楽団の「抜錨」とか)も生成ハモリだとかなり無理がある感じになります。
ハモリをガッツリ聞かせたい曲の場合生成ハモリは向かないですね。
逆にその加工っぽさを利用することももちろんありますが。
自分でハモリを歌うメリット
次は自分でハモリを歌うメリットについて。
自分で歌うハモリは純粋な歌の力量が試されるところでもありますね。
ちなみに上記の「天ノ弱」は自分でハモリを歌ったやつです☆
自分で好きなハモリを入れられる
生成でお見せした「上3度ハモリ」に限らず、ハモリのレパートリーは無限にあります。
そういった個性あるハモリを自分で好きに入れられるのは自分でハモリを入れるときならでは。
奇抜なアレンジをするならハモリは自分で歌いましょう。
音の厚みが出る
ちょっとややこしい話ですが、生成ハモリってリードボーカルと波形が全く同じなので色々手を加えないとお互いがぶつかり合って薄っぺらい歌になるんですよね。
一方ハモリを自分で入れれば絶対にある程度のズレや揺れがあるので厚みが生まれます。
これが自分で歌うハモリの良いところです。
音がハマるとかなり気持ち良い
ハモリを自分で歌い、それが完璧にリードボーカルとハマった時の気持ち良さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
なんか周波数とかの関係もあるんでしょうがとにかく感覚として気持ち良いです。しかも素音源同士が既に気持ち良いとなれば、MIXするとさらに気持ち良い音になって帰ってきます。
一度でもこの経験ができているとこれからの歌でも最高のポイントが見つかりやすいはず。
自分でハモリを歌うデメリット
次は自分で歌うハモリのデメリットについて。
この「エイリアンエイリアン」も自分でハモリ録ってます。
音を取るのがまず難しい
ハモリの参考動画なんかが無い場合はひたすら聴きこんでハモリの音を取るしかないので、結果としてかなりの時間とスキルが必要になってきます。
相対音感の無い人にはかなり厳しい道のりになりますね……
トラック数が増えるので追加料金がかかる
MIX依頼をする場合、トラック数が増えれば増えるほど料金も増える傾向にあります。
なのでハモリのトラックを作り過ぎちゃうと大変なことになりかねません。
ハモリにもピッチ補正は必要
MIXの際にはハモリにもピッチ補正が必要なので、しっかり手間がかかります。
さらに先ほどと同じく「ハモリのピッチ補正料金」もかかる。
結果的に追加料金がかかるってことです。
枝は「自分でハモリも歌う」のが良いと思う。
さて、なんやかんやと書きましたが枝個人的なおススメは「自分でハモリも録音する」ことです。
ハモリを歌うのはめっちゃ難しいですし、実際に生成でお願いした歌も多いですが、自分の納得が行くまで作り込めるのは断然自分で歌うハモリですからね。
例えばですが、この「Innocent Tyrant」はひたすら原曲を聞きこんでハモリと歌詞のタイミングを体で覚えました。
その労力のおかげで、「厚み」と「原作へのリスペクト」が同時に引き出せたかなと思っております。
楽しく歌って人に聞いて貰えるのが一番いいですからね。
おわりに
という訳で今回は生成ハモリと録音したハモリどっちの方が良いのか問題についてでした。
生成ハモリを使うのか、ハモリまでしっかり自分で歌うのか。
力量や手間やお金や曲と相談しつつ柔軟に使いこなしましょうね。
でもとりあえずメロダインは持っとくと便利です。MIXするつもりは無くても。