皆さんは「泡立てネット」というアイテムをご存じだろうか。
泡立てネットとはその名の通り、洗顔料なんかを泡立てる為のネットであり、非常にシンプルな造りながら抜群の効果を発揮するシロモノである。
少し濡らした泡立てネットに洗顔料を付け、クシュクシュっとやってやればCP9のカリファもビックリのモチモチ泡が完成する。時間も短縮できるし、泡の質も良いし、極めて便利な道具であることは皆さんもご存じの事と思う。
しかし、私が泡立てネットを使ったのは、なんと今日が初めてであった。
洗顔料自体は遥か昔から使っている。無論泡立てネットの存在も知っていたし、手で泡立てるより遥かに良質の泡が出来る事も知っていた。
が、今日の今日まで泡立てネットを買うのを、使うのを何となく避けていたのだ。こんなもん百均で買えるくらいの安い道具なのに、である。
自分の逆張り癖、あるいは一種のマゾヒズムとも言える性質は、この歳になっても一向に治る気配がない。
格闘ゲームで弱いとされるキャラを使い続けてボコボコにされてみたり、ユーザー数の少ないDTMソフトを使い続けて未知のエラーに苦しんでみたり、駅から遠い家を借りて通勤に徒歩30分かけてみたり。
自分から敢えて苦行に身をやつすのが癖になってしまっているのである。
便利なもの、良いとされるものを知ろうとしなくなるこの悪癖は、捻くれた中学生ならまだ許されるだろう。しかし、22歳になった今では、ただただ見識を狭め最悪のジジイになっていくだけの全く無意味な思考パターンなのだ。
また、この苦行を選ぶ性質が何らかの信仰心から来ているならまだしも、私の場合はそんな祈りも無しに、ただただ便利さを拒否しているに過ぎない。
泡立てネットを使うことなく手で泡を立て、時間だけを浪費し微妙な泡で洗顔するのは全くもって生産性の無い行為であり、即刻辞めたほうが良いのは明白である。
私は一刻も早くこの逆張り癖を治さなければならない。
人生の無駄な時間を減らす為にも。
あとカプコンはリュウの強化をお願いします。