
枝と申します。
kindleのセールで安くなっていた「バリスタ」というコーヒー漫画を全巻購入して読破しました。10巻で綺麗にまとまった良い漫画でしたので、以下感想です。
目次
コーヒー、というよりエスプレッソの話
タイトルにある「バリスタ」とは、イタリアのバールで働くコーヒーのスペシャリストの事を指します。さらに作中の描写曰く、バールで提供されるのは主にエスプレッソの事を言うらしく、エスプレッソをメインに様々なレシピ・慣習の解説が為されると言った形です。なので、我々のよく知るドリップコーヒーなどについてはそこまで詳細に解説されませんでした。その点は少しだけ留意しておいた方が良いかもしれませんね。
一方、ワイン漫画「神の雫」はそこそこワインの事を知っている前提で話が進むのでずぶの素人からすると専門用語が多いと感じられたのですが、漫画「バリスタ」はコーヒーを全く知らない人でも読めるくらい丁寧、かつ初歩的な解説があります。コーヒーは普段から飲むけど、どのように消費者に届くかだったり淹れ方だったりは全然わからない!というような皆さんにオススメですね。
ストーリーもシンプルで分かりやすい
そんなこの作品ですが、ストーリーも非常にシンプルで分かりやすく、かなりカジュアルに読み進められました。
主人公のコーキがバールでの経験を通じてどのように成長していくのか、どのように周りの人物を変えていくのか。そしてコーキ生誕の秘密と恋の行方は……!?って感じです。極めて分かりやすいですね。序盤〜失踪までの主人公がいいやつ過ぎて人間味に欠けてるな〜と思っていたのも、しっかり中盤以降で回収されたのでモヤモヤ感なく、10巻完結の中ですっきりまとめた感じが好印象でした。
どこか少女漫画チックな絵柄も相まって、老若男女誰でも読みやすい作品と言えるでしょう。
高遠店長に萌えを見出す
主人公コーキの働くバールの女性店長、高遠さん。仕事にストイックで真面目なキャラクターとして登場するのですが、ストーリーの進展と共に顕著な萌えを発揮し始めます。
例えば、バリスタらしくラテアートでウサギを描こうとしたところ、絵が下手すぎてディアボロ(悪魔)になるという回。気の強い成人女性の赤面はメソポタミア時代から良薬として親しまれています。他にも社長である父親の手によって望まぬ縁談をさせられ、涙目で主人公に助けを求めるシーンなんかもあります。目に涙を浮かべながら主人公に助けを求める姿はメインヒロインの風格もかくやと言った趣がありますね。
きちんと「萌え」のキャラクターが居る。これほど漫画を読む際の安心材料となるものは他に中々無いでしょう。
引きこもりニート、森久保のエピソードに泣かされる
高遠さんの「萌え」は凄いのですが、森久保というキャラクターの「燃え」も捨て置けません。これまでの説明だと、コーヒーについての説明がメインでそれほどストーリー展開に感動するタイプの漫画では無いかのような書きっぷりになってしまっておりますが、森久保というキャラクターのエピソードについては感動の余地があります。
簡単にこの「森久保」という人物を説明すると、就活に失敗してニート化した青年でコーヒーの焙煎だけを趣味に生きているというキャラクターです。ネットゲームを規則正しくやるためにコーヒーを飲んでいたらその奥深さに魅了されたとかいう変な人物なのですが、この裏には「毒親に人生を縛り付けられている」という可哀想な一面も潜んでいます。
この森久保が主人公のコーキと出会い、自分の人生を変えていく一連のエピソードについては掛け値なしでめちゃくちゃ良い話です。特に束縛・価値観の押しつけが凄い親へ自分の意志を正面からぶつけるシーンは、漫画史における親子喧嘩の決着シーンでも屈指の出来だと思います。
森久保、もっと登場が早くても良かったのではないかと思わせるだけの骨太なキャラクターに仕上がっているので、ぜひご自身の目で確認してみてください。
おわりに
という訳で今回は、「バリスタ」というコーヒー漫画を全巻購入して読破した感想でした。
全10巻と言う短い作品ながらにストーリーはカチッとまとまっている他、メインヒロイン(高遠さん)と主人公の相棒枠(森久保)のキャラクターが立っている良い漫画だったと思います。ぜひ皆さんも購入し、森久保の親子喧嘩を見届けてみてください。