人って悩み過ぎ!「無(最高の状態)」で脳の作用を知る【感想】

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枝と申します。

たまたまkindleで見つけた鈴木祐さんの「無(最高の状態)」という本がとても面白かったので、読み切った感想を記しておきます。

人って悩み過ぎらしい

人間は生きているだけでありとあらゆる「不安」に悩まされることは皆さんも周知の事実かと思います。会社の給料が低い、友達が少なくて孤独を感じる、将来の自分がどうなっているのか心配……この「不安」「心配」「恐れ」といった感情は人間が生存のために習得した「機能」であり、それに抗うというのは中々難しいものです。

じゃあこういう不安とかにどう向き合えばいいの?

それを様々なエビデンスを提示しながら丁寧に紐解いていくのが「無(最高の状態)」という本でした。自分がこの本を読んでいて面白いと感じたのは、脳科学的な見地から、つまり人間という生物の持つ機能の面から「不安」という言葉をより深く、細かく分類・分析して、どのような状態・要素が人間の精神に不安を与えるのかという点を丁寧に解説していたところです。

実践的な「不安」への対処法

自分の身の回りに「なんとなく不安になってしまうときがある」という非常に曖昧で難しい悩みを持っている人が居るのですが、その人の事を思い浮かべながらこの本を読んでいると、確かに悩んでも仕方がない部分で悩んでしまっている、そして悩んでしまう原因を客観的に理解できていないのかもしれないという点に気がつきました。

この本では「自分がどのような出来事からどんな感情を得たのか、客観的に見つめて不要な心配を減らす方法」についての言及があります。

例えばカフェで店員さんが怒られているのを見た時に、自分は不快な気持ちになったとします。では、その不快感はどのような感情に起因しているのかを考える訳です。怒られた店員に共感して悲しい気持ちになっているのか、怒っている客に対する恐怖が自分にも及んでいるのか、それとも過去に自分が体験した状況と重ね合わせて嫌な思い出が蘇っているのか。

こうした客観視を繰り返すことで、どこまでが事実で、どこまでが「自分の勝手な想像」なのかを理解し、日々の余計な不安を減らすことに繋げていけるという旨が記載されていました。漠然とした不安感が日々ある人にとって、この本はかなり実践的で毎日の生活に活かすことが出来るのではないかと思います。

不安を減らすだけでは無く日々を豊かにする

本書に記載されている多くのパートは不安への対処法ですが、この対処法を発展させていけばありふれた日常の中にも新奇性や超越性を見出すことが出来、新しい刺激を得ることに繋がるとも書いてありました。これはあらゆる感覚を今までの脳の経験で処理するのではなく、新たな物として認知できるようにしていくって感じの話です。

金属でできたドアノブはきっと硬くてやや冷たいだろう。廊下のライトは少しオレンジがかった暗めの光を発しているだろう。水道を捻って出てくる水は流れがあるから少し手を押しのけるのだろう。

こうした普段の生活の中で発生する、いわば言われなくても分かり切っている感覚達も、意識を向けて触れ合う事で新たな発見があるというんですね。可処分時間の奪い合いだの超情報化社会だの言われる現代において、自分の持つ五感を尊重できるのは非常に魅力的な提案だと思いますし、きっと人生の中身が濃いものになるとも思います。自身の感覚を大事にするための具体的な実践方法も書いてあるので、ぜひ日常に取り入れていこうと思いました。

おわりに

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という訳で今回は、「無(最高の状態)」についての感想でした。

人間という生物の精神構造から「不安」という漠然とした言葉を解体し、我々が取ることの出来る不安への向き合い方を非常に丁寧に解説している本です。また、そういった不安が無い人にとっても、「人は起きた物事をどのように捉え、解釈して自己という認知の中に落とし込むのか」というロジックを学ぶことができる良い本だと思います。

なんかamazonプライムで読み放題とかにもなってたので機会があればぜひ読んで見ましょう。

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