枝と申します。
無料で漫画が読めるサイトのスキマという所でたまたま無料だったこの『宮本から君へ』という作品。試しに1話読んでみたら全話読んでいたのでご紹介します。
目次
宮本から君へ
『宮本から君へ』(みやもとからきみへ)は、新井英樹による日本の漫画作品。新卒営業マンの主人公が、恋や仕事に不器用ながらも成長し、自分なりの生きざまを見つけていく物語である。
wikipedia
1990年に連載開始した漫画なのですが、この説明だけでは収まらないくらい強烈ではちゃめちゃでめちゃくちゃ面白い。ドラマ化も映画化もされるのが頷けます。
主人公の宮本がネツレツで凄い
主人公である宮本浩。これがルフィやナルトとは違うベクトルの熱血バカでとにかく凄い。
- 一緒にいる女の子が泣き止むまで冬の海に入る
- 初対面のクッソ怖いおじさんの説教を全部言い返して気に入られる
- 汚い手段をとった偉い人を町中で土下座しながら追いかけ続ける
などの様々な経験を経て1巻と最終巻ではもはや見た目すらも別人に。
ジョジョに登場するツェペリのおっさんは「ノミが巨大な敵に立ち向かうのは勇気ではない」と言いますが、宮本が持っているのはまさにノミの勇気そのものです。勝算も希望も無い戦いにプライドと自分の信条だけで立ち向かっていくのです。
本来なら諦めるべきはずの現実に、何を失ってでも無理やりにでもしがみ付く意地汚さや不屈さ。説教されれば全部言い返しますし、やめとけと言われたらやめないですし、極限まで自分を貫く姿勢が非常に清々しいです。
彼女の靖子が強くて弱い
そんな宮本の彼女になる靖子もただの女性ではありません。初登場の場面では宮本と結ばれるとは思えないんですがふとしたタイミングで再登場し物語の核を担っていくのです。
性格はなかなかに男勝りで放置されていた自転車を宮本に漕がせて二人乗りするという暴挙も行います。
そんな表向きは強いように思えるのですが、内側には様々な葛藤があり宮本とのすれ違いが頻繁に起こります。宮本も靖子もお互いに一筋縄ではいかないのです。
そんな二人だからこそ靖子が拓馬に襲われた後の一連の描写は非常に胸に迫るものがあり、見ているこちらにまで空気感が肌に刺さってくるんですよね。
心が弱い靖子と頭が弱い宮本の恋愛模様をぜひ本編でご覧ください。
会社の人が皆良い人
宮本は文具メーカーの営業として働いているのですが、その会社の人が個性的でめちゃくちゃ良い人だらけ。
同僚の田島は作品全体を通して宮本の相談役で的確なアドバイスをくれるめちゃくちゃイイ奴。作品後半で宮本のライバルとなる真淵拓馬を倒す必殺技を伝授するのもこの田島です。
神保さんは宮本の営業の師匠ともいえる人で、仕事が上手く行かず自分を見失いそうになる宮本に何度も道を指し示す理想の先輩です。こんな先輩と働きたい。
いつも静かに笑っている人のよさそうな人が小田課長。彼は宮本と田島の面倒を見てくれる上司で人生の先輩としても宮本に様々なアドバイスをくれる人です。そんな小田さんの言葉で宮本がハッとするシーンは数えきれません。
こんな会社の人々や取引先の人々のお陰で宮本はどんどん成長していくという訳です。
サブキャラも個性的で憎めない
「見たことあるけど誰だっけこいつ……?」ってなるキャラクターは一切いませんでした。というくらいにはサブキャラも個性的。
宮本の彼女、靖子の元カレである裕二は遊び人で日々を楽観的に生きています。いわゆるヒモです。初登場のシーンからロクなことをしでかさないひどい奴なんですが、これがまたどうにも憎めない。
怒りで我を忘れ出て行った宮本に代わり傷ついた靖子を優しくなぐさめたり、いきなり40万を貸せと言われて素直に応じたり(ヒモなので)、「靖子を絶対に裏切るなよ」と宮本に忠告をしたりと凄く粋なんですよね。ヒモなのに。
他にも序盤の山場で営業のライバルとなる益戸は神保さんのライバルにふさわしいニヒルなキャラ。仕事に私情を持ち込む宮本を未熟と一蹴し、様々な手口で宮本を苦しめます。そんな益戸を打倒するために神保さんと宮本は奮起するのですが…。そんな益戸も最終話目前の156話でデレます。必見。
他にも宮本が成長するにつれて仲良くなっていく人が多数おり、この交友関係の広がりも物語に影響を与えていきます。
おわりに
絵が暑苦しい、古臭いという意見もありますがそれを全く気にせず全巻一気見してしまうくらいには面白い漫画でした。
ドラマや映画はまた少し趣向が違うと思いますので、ぜひ原作の漫画版『宮本から君へ』をご覧ください。
超オススメです。
宮本から君へ [完全版] 1