「最強伝説黒沢」全部読んだ〜ほぼ無敵の人が送る人間賛歌〜【感想】

枝と申します。

カイジでお馴染み福本伸行作品の一つ、「最強伝説黒沢」を全巻読んだので感想です。

著:福本 伸行
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そもそもこれどんな作品?

この作品は人望、愛想、器用さ、金、気遣い、常識、配慮など、あらゆるものが欠如した中年である黒沢が主人公です。このまるでダメな男こと黒沢は、運も間も頭も何もかも悪いのですが、人が人として生きる事の意味や尊厳、これだけは失ってはいけないという誇りといった根っこの部分にだけ強い芯があります。普段はどうしようもない、極力近づきたくない黒沢のその一瞬の輝きに惹かれて、次々に仲間(といっていいのかは怪しい)ができるのを見届ける、それが最強伝説黒沢という作品でした。

また、最終巻付近はシリアスな感じになってしまうので余りギャグが無いのですが、序盤中盤にかけのギャグのセンスは独特過ぎてかなり面白いです。不良3人組~中根との戦い辺りまではちゃんとギャグマンガとして面白いです。中でもまるまる1ページ使って「正しい走り方…っ!」は声出そうになるくらい良かった。

ちなみにインターネットで人気の学校なんて流されて行くもんだ~って話や、人生を時間に例えると~って話もこの漫画のコマですね。全然本筋と関係ない部分ですけど。

途中で作品の系統が変わる

最初は冴えない中年の人生における悲喜こもごもや、この状態からどう人生を挽回できるのか?という感じの作品だったのですが、徐々にバトル漫画的なニュアンスが強くなっていきます。バトルと言っても銀と金における殺人犯との戦いじみた、知略を駆使した戦いという感じでしょうか。

不良→不良の親分→不良の親分の先輩→暴走族というように、黒沢の敵も強く・多くなっていきますので、その部分ではなんか思ってた作品と違うかも……になる可能性はありますね。

ほんまにやめて欲しいシーンも盛りだくさん

人間賛歌を説くシーンはかなりグッとくるのですが、それ以外のクソ沢黒沢の挙動がヤバすぎるのでプラスマイナスで言えばかなりマイナスです。

人の弁当に勝手にアジフライを入れる、無理に後輩を誘ってはファミレスで大声出して騒ぐ、会員制プールで女のケツを追いかけるエロスイムを行う、ノリで居酒屋のちゃぶ台を全部ひっくり返す、飲み過ぎて店の各所で吐く、野球のユニフォームを着てバットを持ち街を練り歩くなどなど、本当に近くにいて欲しくない人過ぎて凄いです。

この辺の共感性羞恥というか、見ていられないという描写がキツい人は1巻で挫折する可能性が高いですね。

おわりに

という訳で「最強伝説黒沢」を全巻読んだ感想でした。

敵に対して投げかける心からの説得や、無為な人生を送って来た自分の無力さを振り払う鼓舞は確かに心を打つものがありますし、その好感度を帳消しにする黒沢の挙動のヤバさや、福本伸行渾身のギャグも見応えがありました。

11巻完結とスッキリまとまっているので、福本伸行作品の絵柄が無理とかで無ければ買ってみてください。そして黒沢の全アクションに震えよう。

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