
枝と申します。
amazonのポイントバックセール対象になっていた近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画こと「狂四郎2030」を全巻読んだので感想です。
目次
漫画として読みやすい!

インターネットで超有名なカレーライスの話を筆頭に「なんか陰鬱とした作品」というイメージだけがあった「狂四郎2030」ですが、実際に読んでみると非常に読みやすい漫画だなと思いました。
というのも、この漫画は「世界大戦後、科学技術が発展して遺伝子改造による新人類の創造が当たり前になった監視社会」みたいな非常に重くてダークな世界観を背景としており、そのヘビーな設定を理解するまではどういうテンション感で読めばいいのか中々分かりにくい部分があるのですが、登場人物たちが代わる代わる世界で起こっている事について噛み砕いた説明をしてくれるので、ページを戻って読み直したりする必要もなくスルスルと読むことができたんですよね。流石に最終巻周辺の権力争いの部分は少し難しかったですが、とにかくあらゆる用語や世界観が分かりやすかったです。
また、そんなダークな世界観でハードなストーリーが展開されるのですが、最初から最後まで漫画のメインストーリーは「狂四郎がユリカに会いに行く」という一本道であり、1ページで数回ぶち込まれるエグめの下ネタのおかげもあって読んでいて疲れることがありませんでした。
でも大体皆不幸ではあるよ!

読みやすいと言っても読後感が爽快!とかそういう訳では決してありません。
主人公の狂四郎はケンシロウやガッツもビックリなくらい戦いと殺戮に明け暮れる日々を過ごして人間としての心を蝕まれ続けることになりますし、ヒロインのユリカも気丈に振る舞いこそすれ基本的に全巻通して不幸な目に逢っています。そういう描写がねっとりと行われ続けるからこそ「2人の精神的な繋がりだけが、修羅の世界で二人をどうにか人間たらしめている」というバベンスキーの言ってる事が我々にもよ~く伝わってくるのですが、とにかく基本的にうっすら登場人物は全員不幸という点だけは抑えておくべきですね。
また、「最初は敵だったけど実はイイ奴なのかもしれないね」みたいなキャラクターについてもまぁまぁ問答無用で退場していきます。この世界は人が人を欺くことでしか生き延びていくことのできない修羅の世界なので仕方ないこと、と切り捨てられて淡々と物語は進んでいきますので、そうした人一人ではどうしようもない世界の残酷さというのも、この作品の根幹を成す要素に違いありません。
ただのお色気・下ネタじゃない「性」への向き合い方

狂四郎2030は、第一話から基本的にほぼ全編を通して性行為の描写が含まれます。特に狂四郎とユリカのバーチャルを通した性行為は彼らにとっての日常そのものであり、性行為が無いのはむしろお互いの安否に関わるクリティカルな非日常として描かれます。
ゆえに全20巻で描かれる二人の行為数は数える事もできないほどですが、これは単に消費用のポルノでは無く、荒廃した絶望的な世界に愛の力で立ち向かおうとする二人のエネルギーが表現されている、この作品には必要不可欠な描写だと感じましたね。
具体的に言うと、狂四郎は殺人マシーンとして人を殺め続けた穢れを、ユリカは生き残る為に男に身体を開き続けた穢れを気にして、合える距離に来て初めてお互いに会いたくないという気持ちになったりもするのですが、なんやかんや抱き合ったら「二人ならそんな事は乗り超えていけるぜ!」という気持ちになって実際何とかなります。
この問答無用・言語道断・荒唐無稽な愛の力は逆にリアリティがあり、変なラブコメなんかよりもよっぽど力強く、生々しい愛を描いた作品だなぁと感じた次第です。バカ野郎お前愛は勝つぞお前
38話(5巻~)から始まる白鳥編の絶妙なバランスが最高
1巻から20巻まで「狂四郎がユリカに会いに行く」話なのは揺るがないんですが、途中で挟まれる白鳥編が相当バランスの良いエピソードで非常に面白かったです。
この章は「狂四郎と幼少期を共に過ごした白鳥が愛の力で洗脳から抜け出して人として強くなる」みたいな流れの話なんですが、珍しく綺麗にストンとハッピーエンドだし、狂四郎のべらぼうな強さが存分に発揮されるし、ちょうど良い長さで終わるしで狂四郎2030という作品の大トロと言えるかもしれません。
ベルセルクのロストチルドレンの章と同じくらい単品で切り売りしてもイケるナイスなエピソードなので、期間限定で解禁されたらここだけでも読んでみてください。
おわりに
という訳で今回は、近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画こと「狂四郎2030」を全巻読んだ感想でした。
確かに面白いけど人にはオススメしづらい作品のカテゴリに入るな~と思います。が、世界観・登場人物の魅力・下ネタ・漫画の上手さ・バトルの迫力・下ネタなど、どこを取っても素晴らしい作品であることは間違いありませんでしたね。
皆さんも「狂四郎鬼つええ!」くらいの感じで読んでみてください。すぐにそういうのじゃないと気づけるので