
枝と申します。
会社のおじさんにオススメされていた「ナニワ金融道」が全巻88円とかで買えてしまったので読みました。色々と法律が古かったり、手形はもうじき無くなるので今後もずっと役に立つ類の漫画では無いのですが、「確実に返せる訳では無いのに巨額の借金をする」という行為の怖さについて学べる面白い漫画でした。
返せへん借金は怖いで!
本漫画「ナニワ金融道」は高利貸しである帝国金融を舞台に、大阪一の金融マンを目指す灰原の奮闘を描いた金融漫画です。舞台が大阪という事もあり、登場人物のセリフはほぼ全て(南大阪寄りの)関西弁という関東出身者泣かせな漫画なのですが、描かれるストーリーはきちんと面白いのでビビらず読んでみて欲しい所です。
資金を借りたい人に貸す。そして利息を付けて返してもらう。ただそれだけの事を行うのが帝国金融なのですが、銀行よりも利率の高い街金を使わなければならない人・会社というのは当然それなりの訳ありであり、本当に貸せるか審査→貸したけど飛んだ→どないかして回収するというのが基本的なストーリーとなっています。
この漫画の面白い部分はやはり上記プロセスの中で言う「どないかして回収する」の部分であり、ここがかなりのD4C(Dirty Deeds Done Dirt Cheap、いともたやすく行われるえげつない行為)で見応えがあるんですよね。あくまで帝国金融は手を汚さず法律の範囲内で、債務者にありとあらゆる手段を尽くさせて債権を回収するという徹底っぷりに感心する事間違い無しです。
また、後半になるにつれて漫画が上手くなると言いますか、ギャグのテンポやコマ・ページの使い方が上手くなって漫画としても面白い作品になっていきます。都沢が出てからの話は特にキャラクターの使い方も上手くて良かったですね。
登場人物もええキャラばっかり
上記の通りえげつない話ではあるのですが、主人公サイドの登場人物は基本的に良い人ばかりなのがこの漫画の救いかもしれません。客はすぐ裏切ったりしますが、朱美さんや帝国金融の人達だけは最後まで裏切ったりしないので、人間不信になりそうなこの漫画も安心して読めました。
まず主人公の灰原。右も左も分からないところから一人前の金融マンに成長していく過程が描かれます。金融マンとして大成するには鬼にならないといけない、しかしそれで人を不幸にするような人生を送って良いのか。そんな葛藤を持ちつつも日々仕事に邁進するキャラクターですね。作品が進むにつれて根性・図太さ・狡猾さを見せるようになっていき、鉄の鍵を飲み込んで暴力団を抑え込んだり、客に融資しつつも客が飛ぶように仕向けて全ての美味しい所を持って行ったり、ヤクザの喉元に噛みついて半殺しにしたりと主人公らしい(?)ヤバさを発揮するようになります。普通に作中で一番のサイコパスかもしれません。
次に灰原の彼女になる朱美さん。過去ヤバめの男に入れ込んでしまったので色々な物を失ってしまった過去を持ちますが、それらが帳消しになるレベルの頭脳・コミュニケーション能力・胆力・甲斐性・包容力を持つスーパーウーマンです。灰原が道に迷った時、そこにはいつも朱美さんが居てくれているというマジで神的なヒロインであり、最後まで主人公を支え続けてくれます。ほんまありがとうな。
次に灰原の上司になる桑田さん。見た目はヤーさんじみたガラの悪い大阪のおっちゃんであり、債権回収の為なら女一人風呂に沈める事を何とも思わない冷酷さを持っているのですが、それはそれとして常に灰原の事を考えてくれるめちゃくちゃ面倒見の良い上司であり、桑田さんのお陰で灰原は成長し続けることができたと言っても良い重要人物です。たまに灰原をおちょくって楽しんでいるのもかわいいですね。
次に社長こと金畑さん。指示は的確、相談にも乗ってくれる、現場に出ればあっという間にその場を収めてしまう実力者であり、金貸しの社長やるにはこれくらい頭が切れんとあかんねんなーという気にさせてくれます。インターネットで有名なのは灰原に説教するシーンですが、その後に自身の考える経営者像について語ってくれるなど、灰原の事を高く評価しているのも間違いないので最後までいい人です。
そして最後の章に出てくるのが都沢という警察官僚の男。帝国金融に派遣され債権回収のノウハウを学んで来いと言われています。頭が良いラガーマンという恐らくすべての日本企業が求める素晴らしいエリート人材であり、自身も自身のステータスを良く理解しているため帝国金融では常に人を舐め腐った態度を取って多くの人をキレさせています。一方、灰原が「君は飯に対しては文句を言わないね」と食に無頓着である事を指摘した時や、一緒に風呂に入った際に「体格に漏れずtntnもデカいね(意訳)」と褒めた時などに赤面して照れるというヒロイン属性も持っており、ウザいけどどこか憎めないという美味しいポジションを確立していました。
あとは肉欲棒太郎というカスのような名前からは考えられない凄まじいビジネスのセンスと人望を兼ね備えたキャラクターが活躍する話もあります。肉欲は灰原の魔の手によって会社も自社ビルも失い、ヤクザの下でノミ屋をやらなければならなくなってしまった可哀想なキャラです。しかし、そんな逆境にもへこたれずに次のビジネスを立ち上げようとするハングリー精神の持ち主であり、カスみたいな名前ながらに応援したくなる良いキャラクターでした。
おわりに
という訳で今回は、「ナニワ金融道」を全巻読んだ感想でした。
先述した通り古い漫画なので法改正は多分に入っていますし、手形ももうじき無くなってしまうのでやや分かりにくい漫画になってしまうと思いますが、闇金ウシジマくんとかよりも絵柄がシンプルで読み疲れしにくいと思うので是非読んでみてください。


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