「グランベルム プリンセプスのふたり」全部見た~萌えで薄めたアレとアレ~【感想】

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枝でございます。

「グランベルム~プリンセプスのふたり~」を全話見ました。アニオリとは思えないくらいには良かったです。

以下感想。

13話に良く詰め込んだ!

まず率直な感想としては「よくぞ13話にまとめきった!」という感じです。

きっちり起承転結があり、登場人物が絞られているおかげでアイツなんやったん?みたいな説明不足感もほぼ無し。伏線の張り方も露骨さが少ない絶妙な塩梅で、サクッと見れる長さの割りには非常に満足度が高かったですね。

最初は「魔力があるせいでアンナがあんなことになっちゃって(オモロギャグ)大変だから魔力を消すよ!」と言っていた新月が、グランベルムで普通に死者が出ることを知って「魔力を消す」というその願望をさらに強くするという流れ。動機が一気に個人的な感情から世界に対する反逆になるのですが、そこにちゃんと理屈が通っており、新月にも感情が移入できたので、その後の展開のスケールアップにもすんなりと付いて行けたように思います。

その辺りのストーリー展開がスムーズだったのは好印象ですね。

ロボットがちゃんと動くし盛り上がりも◎

萌え萌えロボットアニメの看板を掲げたグランベルムですが、きちんとSD体形のロボット(アルマノクス)がモリモリ動くので見応えバッチリです。

やはり特にカッコいいのは水晶の操るラスボス、セラドアノクターンとかいう厨アルマノクスですかね。常に影が落ちてて、サイズ(カマ)持ちで、トゲトゲしてて、ファンネルが出せて、極太レーザーも撃てて、全てのカットがカッコイイです。

覚醒満月のホワイトリリーに目玉が浮き出る演出もゲッターロボっぽくて好きです。

冨野節(しかもZ)が効いた聖杯戦争を萌えで薄めました

ストーリーについてはどうしても「どっかで見たアレだな~」感が否めません。

まず、皆で戦って優勝したら願いが叶う!って話。この大枠はなんとなく聖杯戦争だな~と思います。で、新月の「そもそも魔力をなかったことにする」という願い。これはなんとなくライダーバトルだな~と思います。そして「願いをかなえる『ソレ』自体が自我を持っており、人間同士に終わらない戦いを繰り広げさせて死者は無かったことにしてきた上、最後の最後まで人間の愚かさをめちゃくちゃ伝えてくる」って部分。何とは言えないけど汚染されてそうだな~と思います。こんな感じで大枠部分はどっかで見た気がするアレコレが脳裏にちらつくような内容でした。

また、最終話辺りになると「人類は愚かでバカだけど、それでも色んな感情を持って毎日を必死に生きている、それこそが美しいんだ!」といった具合で激しいバトルの最中に舌戦が繰り広げられるのですが、この辺はめちゃくちゃに冨野節が効いているように感じました。「誰もが欲しいものは、存在しちゃいけない物なんだよ!」という満月のセリフ、めちゃくちゃカミーユが言ってそうです。ってかナレーションはカミーユです(飛田展男)。

声優さん達の演技が良かった~

アンナ役の日笠陽子さん、水晶役の悠木碧さん、最高の演技でした。文句なしにMVPです。とにかく叫ぶ叫ぶ、憎む憎む、裏切る裏切る。ぶっ壊れた人間の緩急を魂で演じ切っていました。

特に最終話当たりの水晶さんのセリフ回しには痺れましたね。

・人形がァ……グダグダグダグダーッ!
・足なんているかァーッ!
・無駄だ。

その他あれこれ

OPの目の違いは結局?

満月(閉じ)
新月(閉じ、涙)
アンナ(開き)
ロサ(開き)
寧々(閉じ、涙)
水晶(閉じ)
九音(閉じ)

いかにも考察してくださいと言わんばかりに魔石を通して見える目が違っているOPですが、全部見た後でも特に法則性は見出せませんでした。

・死者説(アンナとロサが同じ開きな時点で否定)
・自分の意志で参加してるか説(皆自分の意志ではあるので否定)
・良い奴悪い奴説(ロサはそこまでの深掘りも無いので否定)

新月と寧々が共に涙を流しているのは覚醒持ちだから?

九音のお姉ちゃん愛?

九音のお姉ちゃん愛は凄いです。説明するまでもないお姉ちゃん大好きっ子です。ただ、大好き過ぎて流石に姉妹愛とかでは無い次元にまで来ているんじゃないかなと思ってしまいました。呪いを解きたいという思いがあると同時に、お姉ちゃんをその身に取り込んだ(と豪語する)水晶に対して、お姉ちゃんを独り占めしてズルい、という嫉妬的な感情すら持っていたかのように見えました。

お姉ちゃん大好き過ぎっ子になってしまった理由については深く触れられていなかったので、どれくらいの「好き」なのかはそれぞれで推測してね~って感じじゃないかなと思います。

マギアコナトスは勝手

マギアコナトスとかいうカス、封印されてる分際で「人間を試す!w」とか言って水晶を作り、しかも水晶には「悪魔の証明ができたらザウィッチにしてあげる!w」とかいう絶対叶わない夢を見させ、水晶という女がいながら気分で新月に力を与え、、、と人類の悪意の結晶と言っても良いくらいのカスっぷりを発揮しています。

結局こいつが悪くね?という結論は揺るぎなきものとなりそうです。

水晶は満月が嫌い?

水晶も所詮マギアコナトスが作った人形に過ぎなかった。でも1,000年という長い時間をかけてグランベルムに参加し続けることで人格・心のような物ができていた。痛くない、何も感じないと言いつつも、同じ「(実質)マギアコナトスに生み出された人形」である満月に対して、特別な感情を抱いていたのではないかという推測です。

それは「人形の先輩」としての助言のようでもあり、人形がどれだけ頑張っても無駄なんだという自分の諦めをぶつけているようでもあり、とにかく満月に対する水晶の感情は痛々しさすら感じられました。

オマケ

水晶がやられるシーン、めちゃくちゃ見覚えあるな~と思ったら案の定でした。しかもご丁寧に赤い剣(ペイルライダーの先も赤いよね)で挟まれてます。意識しかしてない。

おわりに

という訳で今回はグランベルム全部見た話でした。

絵が綺麗、展開が分かりやすい、動きもあると1クールのロボットアニメの中ではかなり人にオススメしやすい作品でしたね。

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